今週ようやく車を購入することができた。最初の土曜日にたまたま立ち寄った中古車屋で走行距離が62万マイルのVWのPassat wagonを発見した。それ以外にお買い得感があるものとして走行距離6万6千キロのスバルの Outbackを発見した。意外なことに、コロラドでスバルは日本では想像もつかないほど大人気なのである。その時はソーシャルセキュリティーが無かったのでその車を買うことはできなかった。購入を躊躇したもう一つの理由はその中古車ディーラーが北野武の映画で描かれる最底辺の解体工場みたいなところだったため。要するに怪しすぎた。その次の週にはVWの正規代理店を訪問した。ほとんどの在庫は平均して3倍くらい値段が高かった。そのかわり質も上等だったのだが。ディーラーと直接話し合ってみたのだがそこではVWを最初に見た価格で買うのは不可能とのことで、代わりにMazdaの2008年の車を勧められた。走行距離も少なく、価格もVWと同程度であった。非常に良い車で価格も良かったのだがセダンであったため何かと不便と判断した。同じ日にトヨタのディーラーに行った。トヨタで扱っている車は価格は良いが走行距離が20万マイルとか、走行距離は1万キロ未満だが価格は非常に高いとか、条件に合わないものばかりであった。そして昨日ホンダのディーラーで最初に見たPassat wagonと色違いで状態も非常に良かった。残念ながら価格は最初に見たものよりも少し高かったが、予算の2%オーバーで済んだため、それを買うことに決定した。満足度としては、全て見た中で上位3位以内には確実に入っていると思う。
このような話に似た構造の話はたくさんある。例えばお見合いである。お見合いの方が車選びより難しい問題である。一旦断った後でその後会った人たちより断った相手の方が良かったからといって、「断ったのは無しにしてください」、というわけにはいかないから。このような状況で、満足度を最大にするのは最適化問題の一種で、応用数学の一分野となっている。鳩山首相が博士号を取ったのもこの分野である。その分野の解説本によると、このような問題は前提条件と満足度を定義すると対処の戦略が決まる。例えばお見合いの場合、たとえば最大20人とお見合いできるとして、最後の20人目まで見ることができたとして上位3位以内に入る相手と結婚できれば満足、と決めると、たとえば(1)最初の5人は良くても悪くても断る、(2)次の3人とお見合いする際はそれまで見た中でベストであれば結婚を申し込む、(3)9人目から12人目に関しては少し条件を緩くしてそれまで見た上位2番目以内であれば結婚を申し込む、(4)それ以降は相手がどんな見た目でも全員に対して申し込む、といった具合。満足する条件を変えるとこの戦略は変更を受けることになる。車選びの場合は最後まで見た後で最初の店に行くということは可能だが、時間が限られていることと、良い車は時間が経つと売れてしまう可能性があるという点で、似たような戦略が必要になるはずだ。実際、最初の店で見たOutbackは売れてしまっていた。
鳩山さんが首相の座に着いたときに、彼の友人である中央大学教授が「鳩山さんは結婚における最適化問題で相手に対する条件から「未婚の女性」という条件をはずしてしまい、他人の奥さんも対象に入れて最適化してしまったんですよ。」と話していた。夫人を見れば彼の最適化がいかに異様なものかは自明だ。奥さん選びに関しては犠牲者は鳩山さんだけなので私は興味はない。しかし、他の政策決定における誤った最適化の犠牲者にだけはなりたくないと思う、マジで。