2010年4月25日日曜日

Science fair

昨日近所の本屋で"October sky"という映画のDVDを見つけた。以前から理系の人が見るべき映画の一つとして知っていて見たいと思っていたが、日本のレンタルビデオ屋では発見できなかった。即購入。9.99 cents。内容はWest VirginiaのCoalwoodsという炭坑の街で暮らす高校生が旧ソ連のスプートニク号にインスパイアされてScience Fairに同級生3人とロケットを出品するという、実話を基にした話。
Coalwoodsの街は炭坑で成り立っており、炭坑夫はみな自分の仕事に強いプライドを持っている。石炭産業は当時すでに衰退産業(すでに「ほぼ終わっている」状態)で、炭坑ではストライキが繰り返されている。少年の父親は炭坑において経営者側ではないが炭坑夫のトップ、いわば中間管理職という設定である。少年の家庭は基本的にWorking classで、社会の最底辺の家庭においてロケットの開発に熱中する主人公とその父親の間には常に対立がある。ロケットの開発には数学や理科の知識が要求されるため、主人公はロケット開発を通してそれらの知識を獲得していくのだが、主人公は父親から常に勉学意欲を削がれるような圧力を受け続ける。4人の高校生がド田舎でロケットの発射実験や開発費用を賄うために廃線となった鉄道の線路を取り外したりするシーンは"Stand by me"の4人組が少し成長した様子を見ているような印象である。
ロケットの発射実験と雑木林の火事を関連づけられ警察に捕まったこと(後に無関係であることを本人が証明)、および父親の落盤事故により一旦はロケット開発をあきらめ、高校を辞めて炭坑で働くことを余儀なくされる。この青年の偉いところはこのような環境の中でロケット開発を諦めきれず、家庭や地域で絶対な存在である父親と大げんかになることを躊躇せず炭坑の仕事をやめて高校に戻り、Science fairに参加しゴールドメダルを取得した点。ここで父親と大げんかすることを回避していたらこの青年は社会の最底辺から抜け出せなかったであろう。映画はここで終わるのだが、この青年はその後大学へ進学し、NASAのロケット技術者となったという(DVDではおまけ映像として本人のインタビューがある)。自分がこの映画から教訓を引き出すとしたら父親と口論する上記のシーンである。必要なけんかは避けるべきではない。
10年前以上前の映画が平積みになっていた理由は何なのであろうか。一つの理由はスペースシャトルが打ち上げられた直後だったため、あるいは宇宙関連の研究が盛んな土地柄のため、宇宙開発モノとして売れるという理由。別の理由は今月上旬のWest Virginiaの炭坑爆発事故との関連(死者25人)。もう一つの考えられる理由としてはScience fairが近いこと。Science fairとは要するに理科の自由研究のことだが、この映画でも描かれているように日本の自由研究よりももっとちゃんとしたコンテストとなっていて伝統もあるようである。本屋にはScience fair対策本が多数並べられている。先週、息子の学校にScience fairのエントリーシートを作成した。本格的な研究計画のようにテーマ設定、予想される結論、実験方法、ストーリー展開、プレゼン方法などを事前にきちんと書くことが要求されていた。やっとの思いでまとめたのだが、後に学校からは参加は任意であると言われ拍子抜けした。しかしながらこの映画を見て参加したい気持ちが強くなってきた。舞台となった高校はBig Creekという名前(実在)なのに対し、息子の学校はCreek Sideという点も似ておりその気にさせられる。