これまでフランスに行く時に購入したフランス語に重点をおいたカシオのXD-SW7200という電子辞書を使ってきた。毎晩その電子辞書を使って幼稚園からの手紙や宿題と午前1時ころまで解読していたことが懐かしい。帰国する頃までには2500語くらい単語を覚えたり(ただし、La FNACのような固有名詞も含む)文法を覚えたりしたため時間の経過と共に次第に使用頻度は低下していったが、フランスに着いた時点ではフランス語力は全くのゼロだったのでその電子辞書は大活躍したのだ。しかしながらアメリカで生活するにはその辞書はイマイチ英語力不足だと感じ、新しい電子辞書を探していた。アマゾン(日本)でカシオのXD-A10000という英語版の電子辞書を見つけたのだが、日本国外に配送しないということだった。両親宅に一旦配送し、それをこちらに転送してもらったものが今日届いた。
英和辞典としてはリーダーズ(+リーダーズプラス)、研究社新英和大辞典、ジーニアス英和大辞典、ランダムハウス英和大辞典が含まれている。英英辞典としてはオックスフォードの有名なやつが3種類とロングマンが含まれている。和英辞典としてはプログレッシブが含まれている。それ以外には例えばコロケーションに特化した英和活用大辞典が含まれている。日本語で言うと、例えば「将棋を指す」、「囲碁を打つ」とは言うが「将棋を打つ」、「囲碁を指す」とは言わない。英和活用大辞典はこの例のようにどんな語とどんな語が結びつき得るかということを丹念に調べ上げ用例をまとめた辞書で10年くらい前から利用している。また、私の共同研究者が愛用するロングマンのLanguage Activatorが含まれている。紙バージョンは持っているのだが、PC上で使えるバージョンや電子辞書でそれを含んでいるものを以前から探していたのだがやっと見つかった。それ以外の主なものとしてはオックスフォードのイディオムやphrasal verbなどに特化した辞書や技術用語の辞書が含まれている。欲を言えば英辞郎や英語版理化学辞典などが欲しいところだが、英語の電子辞書としては最強に近いと言えよう。国語辞書も主なものだけでも「広辞苑」、「明鏡国語辞典」、「新漢語林」が含まれている。「日本語コロケーション辞典」なるものも含まれている。「辞書」は「当たる」ものだということが分かった。
他にも機能が豊富で基本的には大変満足なのだが残念な点もある。三島由紀夫は「辞書は引くものではなく読むものだ」と語っていたと言われている。今日改めて気がついたのは、現状の電子辞書は単語を検索することに特化されており、本のような読み物となっていないこと。例えばLanguage Activatorや英和活用大辞典のようなものは調べたいも単語だけを見るよりは、読み物として全体に目を通すということが大事だと思うのだがそのようなことは不可能である。また、辞書のカスタマイズが出来ない点が苦痛である。フランス語に特化したXD-SW7200の良い点としてはオックスフォードの英仏/仏英辞典が入っている点なのだが、これを新しい電子辞書にコピーできたらと思うがそのようなことも不可能。フランス語に特化した電子辞書としては最新の製品は最強なコンテンツが盛り込まれているが、今持っているものをそのような状態にアップグレードすることもできない。カシオはハードウエアの会社なのでハードウエアをたくさん売るために内容を入れ替えることができないような戦略を取っていると思われるが、あまりこのようなセコいビジネスを続けているとiPadのように電子辞書を本としても読めて検索もできて内容をドンドン増やしたり新しいものに変えたりすることができる商品に遠からず駆逐されると思う。
電子辞書といえば、フランスに滞在しているときにドイツで売られている独英/英独、独仏/仏独の電子辞書を購入した。その経緯は驚くべきものであった。滞在中、妻がギックリ腰になり妻が買い物に行けなかったために私が仕事の後スーパーマーケットに買出しに行っていたことがあった。その買い物の帰りに私の住むアパートのエレベータの前で不良っぽい日本人(らしき)男性とともにエレベータを待っていた。日本だったら絶対に口をきかない状況だが、外国で日本人2人で口を効かないのも居心地が悪い状況だったので自己紹介をしたところ仰天した様子を見せたため、こちらが驚いてしまった。ドイツの中学校で同級生だった男であった。その男は妻が熱を出したため昼間子供を他人に預け、夕方子供を引き取りに来たところであったという。カシオに勤めていることが分かり、ベルリンの本屋で見かけて買うのを躊躇した電子辞書を購入できないか頼んでみた。フランスの本屋で売っていてもおかしくなさそうだと思ったがそもそも電子辞書というもの自体がフランスにほとんど存在せず、ベルリンの本屋で買わなかったことをウジウジ後悔していたのだ。独英/英独の辞書が特に欲しかったのは英語のphrasal verbとドイツ語の分離動詞の関係を片っ端から調べたかったため。色々調べてみたが予想に反して思ったほど対応していないというということに気がついた。最近、ドイツ人の先生に確認したところ残念ながら分離動詞とphrasal verbは確かにそれほど対応しているわけではないとのことであった。どちらも地道に覚えていくしかなさそうである。