2010年11月20日土曜日

Inside Job

Inside Jobというドキュメンタリー映画を見に行った。テーマは2008年の金融危機がなぜ発生したかについて。その原因はレーガン政権以降の金融規制緩和政策。この政策はクリントン政権やブッシュ政権にも引き継がれた。金融機関のコンサルタントを務めたハーバード大学やコロンビア大学の経済学者がインタビューアの厳しいツッコミに取り乱す様子が愉快であった。それらの中にはFRBなど政府で重要な役割を果たした人も含まれるのだが、そのうちの一人は2008年8月の金融危機発生直後にFRBを去ったという。去った理由は「教科書の改訂のため」。あまりの馬鹿馬鹿しい言い訳に対し観客席から失笑が漏れた。有名大の経済学者らは30年前からウォールストリートの大手金融機関を支援するような金融規制緩和を主張し、彼らや上記の有名大学は莫大な相談料や資金援助を受け取った。そのことによって州立大学などには資金がほとんど流れなくなり、学費の急激な増加を引き起こした。アメリカでは単純作業を行う産業は全て壊滅してしまったが、IntelとかAppleとかGoogleのように先端技術の開発で儲けている企業は依然多数存在する。先端技術の開発を行うには大学(院)教育が必要なのに、学費が高すぎるために多くの人たちが大学に行けなくなってしまった。有名大学の経済学者たちは自分たちの誤りを認めて金融規制緩和を辞めるように主張すべきはずだが、2008年以降も自分たちの学説を決して否定しなかった。オバマ大統領は経済・金融関係の担当者に金融危機の引き金となったウォールストリートの大手金融機関関係者ばかり任命してしまった。そのため金融改革(規制強化)の芽が摘まれてしまったという。それに対してEUでは金融取引の規制が強化された。上映が終了すると拍手が起こった。
ナレーションはMatt Damon。Matt Damonの英語はカッコイイ。アメリカ人がどう感じるか分からないが。日本での公開は1月。