夕方、早めに研究室を抜けだしてサンフランシスコにやってきた。共同研究者が国際会議のためサンフランシスコに来ており、お互いの進捗報告のため。サンフランシスコ国際空港からBARTという電車でダウンタウンにあるPowellという駅で降りた。BARTは見た目はロンドンの地下鉄に似ており、中の汚さはパリのEREを思い起こさせる。白人ばかりのボウルダーと異なりサンフランシスコはヒスパニック系の人が非常に目立つ。それらの人々はだいたいHomiesのようなファッション(腰パン、斜めに被った野球帽、重そうな金色のネックレス、刺青、等)であり、ぶっちゃけガラが悪い。私にとってはHalloweenのオカルト系の衣装よりもこちらの方が恐怖を覚える。
Powellの駅を出ると、どういうわけか新宿の西口を思い出した。坂道とかチンチン電車が無ければ、Barbary Coast trail沿いの店や混雑の具合が武蔵野ビル周辺から三越への通り、および伊勢丹や丸井の近くと似ていると思った。あるいはパリのGalerie Lafayette周辺、あるいはロンドンのどこか、のようでもある。単に都会というだけかもしれない。
数ブロック歩いてBush通りを右に曲がり、今晩宿泊する予定のHotel Des Artというホテルに向かった。このホテルを選んだ理由は単に値段が一番安かったから。Barbary Coas trailと異なってぐっと人通りが少なくなり、ちょっと失敗したか、と思ったが、なぜかフランス料理のよさげな店が何件も並んでいるところにそのホテルは存在した。一般的なホテルと異なり、ヨーロッパの大都市にあるアパートのように呼び鈴を押してブザーが鳴っている間にドアを開けて中に入り、2階の受付に進むというシステムであった。内部にはホテルの名前が示すように至る所に絵画が飾られていた。
部屋の中に入ると内部の壁中に(4面とも)村上隆風の絵が描かれていた。この絵を見て疲れがドッと湧き出した。さらに驚いたことに、なんと部屋に風呂どころかトイレすら無かった。特別安かった理由が納得できた。疲れが倍増したような気がした。どうせ一人で旅行するときはだいたい2日に1回しか風呂に入らないので別に構わないのだが、他の人にはこのホテルは絶対にオススメできない。

