2011年1月23日日曜日

Freakonomics

FreakとEconomicsからの造語。おそらく「経済オタク」くらいの意味ではないか。昨日TargetでFreakonomicsの本と昨年発売されたDVDが抱き合わせされたものを購入した。Freakonomicsは数年前に米国でベストセラーになった本でその時読んだため本の方は要らなかったがセットでたった17ドルだったので買うことにしたのだ。
このDVDの第4チャプターにおいて、経済学者は単純な思考回路や行動原理に従う人間や市場を前提にした学問とされるが、人間あるいは市場が他人を意図的に騙す場合について考察するために日本の大相撲がそのような問題を考えるためのモデルとして取り上げられている。7勝7敗の力士が8勝6負の力士と対戦する場合、過去の対戦成績的に5分5分でも実際の7勝7負の力士の千秋楽の勝率は統計的に説明できない7割以上という異様な値となっている。そのような千秋楽の取組が八百長かどうかは取組を見ただけで証明することは難しいというナレーションが流れる。相撲において八百長が発生するメカニズムやそれが隠蔽されたり観客が見て見ぬふりをして受け入れられるメカニズムが週刊現代で八百長を告発したフリー記者武田頼政氏や元週刊ポストの編集長竹内明彦氏のインタビューなどを通して説明されていく。それらの指摘は面白い。相撲界の閉鎖性をさらに強調するために、17歳の力士がリンチで死亡した事件、大鳴戸親方が八百長を告発した後病院で不審死した事実、その不審死が殺人事件として全く捜査されなかった事実、日本の警察の異常に高すぎる殺人事件解決率の裏側、などが解説されていく。
日本の相撲界や日本社会の問題点に関するドキュメンタリーとしては全部知っている事実ではあったが面白かった。しかしながら、相撲界の八百長を経済活動におけるインチキ行為と結びつけたことには無理があった。完全にヘリクツ。飛躍。実際その答えはこのビデオの中で既に述べられている。相撲は神道に基づくものと明確に述べられていたが、八百長があるのは純粋なスポーツではなく宗教儀式だから。釈迦が生まれたとたんに天上天下唯我独尊と言ったとか、キリスト教の中に含まれる様々なエピソードが全部ウソなのと何ら変わらないのだ。
経済学を学ぶ意義は経済学者の言うことにダマされないようになるため、という言葉を大学で聞いたことがある。このDVDの中でFreakonomicsの著者2人(片方は名門シカゴ大の経済学教授)が「経済学者と詐欺師の間の壁は非常に薄いよね」と話すシーンがあった。一応詐欺師かも知れないという自覚はあるらしい。