2010年5月19日水曜日

STUDY AIDS

仕事帰りに本屋で天文学の攻略本を立ち読みした。前書き部分にSTUDY AIDSという見出しがあった。最初一瞬、STUDYを動詞(文頭で使われるので命令文)、AIDSがその目的語である後天性免疫不全症候群の略語ととらえ、「エイズを研究せよ」という意味と解釈し面食らった。その後下の本文を読んで、STUDYという名詞がAIDS(助け、名詞)の前でいわゆる「形容詞的用法」で使われて、「学習の手引き」という意味と気がついた。英語は動詞と名詞が同じ形で存在することが多々ある上に形容詞的用法として使われる場合、見た目が変わらないから入門時は覚えることが少なくてお得感があるように感じる。さらに、たとえば、文中で名詞が2回連続したように見える場合、関係代名詞が省略されている可能性も検討しなければならない(動詞の位置など)。したがって、文法的に一意的に意味を解釈する際に文法的な分析のために頭を使わなくてはならないので実はそれほど楽とは思えない。それに対して例えばドイツ語の場合、名詞に性(3種)、数(単数、複数の2種類)、格(4種類)という3つのプロパティーが存在するため入門時は敷居が非常に高い(3×2×4通り)。しかし例えば上のような場合、「学習の」にあたる単語は2格になり、「手引き」は1格になる。また文頭の単語が「学習する」という意味で使われたのであればその目的語は4格になる。したがって元の単語を性も含めて正確に記憶しておけば解釈が間違うことはあり得ず、一意的に意味を決めることは機械的に行われ、容易である。さらに英語は確かに名詞の性を覚えなくてよいのだが、単語のどの音節にアクセントがあるか覚えなくてはならない。これは実はなかなか大変だ。英語がドイツ語やフランス語と比べて特に楽とは思えない理由は他にもあって、たとえば英語では使用する語彙がドイツ語やフランス語と比べて異常に多いこと。また、使用される周波数帯域が他の2つの言語より広く、日本語では使用しない帯域を多く使っていること(日本人にとって英語のリスニングが難しいと言われる理由の一つ)。
したがって、他の人は英語が一番簡単だと言うけど、どの言語が一番楽かということは簡単には結論は出せないよなあ、ということを帰り道で考えていた。しかし家に到着するとすぐに、最初のSTUDYが動詞で使われているとしたら(つまり文章になっているならば)、AIDSの後にピリオドがないといけないので「エイズを研究せよ」という意味にはならないということに気がついた。