来客に備えて購入したビールの銘柄。変わった風味がわざとつけてあるうまいビールだ。この銘柄はボウルダーで製造されたもの。Breweryで飲むのも100%その店あるいはその地区オリジナルのビール。DenverはCoorsの本拠地であるが、コロラドに来てからCoorsを飲んだことは1度しか無い。アメリカといえばBudwiserが有名だが、そちらは一度も飲んだことはない。アメリカ中西部、たとえばイリノイ、ウイスコンシン、アイオワ、ミネソタあたりはドイツ系の移民が多く、ビールの醸造が盛んだという。特に有名なのがミルウォーキーのパブスト社やミラー社である。コロラドもドイツ系の移民が多く、Coorsもドイツ系の移民によって設立された。
アメリカにはワインがあるにはあるが、アルコールというと圧倒的にビールが優勢だ。これは上記のドイツ系移民のおかげであると思われる。日本人にとってはやはりワインよりビールの方がなじみやすい。日本食にも合うし。うなぎ重とワインなんか考えられないし、刺身がのどに貼り付かないようにするにも1日1杯が基本のワインよりガブガブ飲めるビールの方が適している。もちろんアメリカの現地の食事にもビールの方が合う。先程述べた中西部の地域ではドイツやポーランドからの移民が多く、ソーセージの質がドイツほどではないものの、フランスと比べると圧倒的にうまいし種類も豊富である。ちなみにフランスはビール不毛の地である。パリのレストランでビールを注文すると6〜8ユーロも取られる。一説ではアンチビール的な政策があるという噂を聞いたことがある。
アメリカのビールは多様性に富み、味も様々で行く先々(といっても車で10分も行ったところ)で地元の独特なビールを飲んで感動を覚える。一方、日本ではキリン、アサヒ、サッポロ、ヱビスなどのメジャーなメーカーにほぼ寡占されており面白味に欠ける。個性を追求する人は日本酒をどうぞ、ということであろう。しかしながら、単価が比較的高い日本酒ではなく、居酒屋などが独自のビールを製造してその場で売るようになると新しい市場が開けるのではないかと思う。日本でマイクロブリューワリーが存在しないかというとそんなことはない。たとえば、私の家の近くでも木内酒造という日本酒メーカーが「ネストビール」という独自銘柄を醸造している。今度外国からお客さんが来たらそこへ連れて行こうと考えている。
ところで、Budweiserはチェコが本家本元。地元で「ブドバル」と呼ばれているものがドイツではBudweiser(ブドヴァイザー)と呼ばれ、アメリカで英語とドイツ語の発音をゴチャ混ぜにした「バドワイザー」という全く無関係なビールが誕生した。昨年9月ドレスデンに行ったついでにプラハまで行って本物のBudwiserを飲んで来た。ピルス系の小便のような色をしたビールである。ちなみにピルスという言葉もチェコのピルセン地方が由来である。このあたりの知識は全て「ニューエクスプレス チェコ語」(白水社)からの受け売り。
プラハは何の予備知識もなく、何も期待せずに純粋に正当派Budwiserを飲むためだけに訪問した。大都会でかつ美しい街で驚いた。街の中央をヴルタヴァ川(ドイツ語でモルダウ川)が流れ、その片側が丘になっている。日本で言うと仙台のような感じか。丘の頂上には城があり、その前の広場で就任して間もないオバマ大統領が核廃絶に関する演説を行った。私のプラハ訪問後、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した際にその場所での演説が盛んに引用されて初めてその事実を知ったのだが。ドレスデンからプラハまでは鉄道で行ったのだが、エルベ川沿いの眺めも息をのむような光景であった。